2014年急騰

2014年に株価が大化けした銘柄をピックアップし、その急騰の”初動”を検証してみました。
※前回の記事はミクシィ(2121)でした。

日本通信(9424)

89円→1268円へと株価はなんと約14倍に急騰!今年そんな夢のような急騰をしたのが、日本通信です。

日本通信の1年間の日足チャート

100円以下の株価で低迷している中、2014年1月27日に株価はストップ高します。これを機に株価が上昇を始め、約半年後には、株価は1268円まで上昇します。株価が100円代でもみ合っているとき、ここがまさに”初動”でした。
日本通信株価チャート

株価上昇のきっかけとなったニュース

上昇のきっかけとなったのは、1/25の日経新聞で取り上げられたニュースが要因でした。MVNO(携帯電話やPHSなどの物理的な移動体回線網を自社では持たないで、他の事業者から借りてサービスを行う業者)と呼ばれる日本通信のような事業者に対し、回線賃借料を半額に下げる方針を総務省が示したというニュースです。 これが、これから始まる大相場の予兆でした。

実際に1/25に発表されたニュース速報が以下です。日経新聞電子版は深夜(明け方)にニュースが掲載されるため、金曜の深夜にニュース速報が流れました。
  • スマホ割安利用促進、総務省方針 回線賃借料を半額に 2014年1月25日 日本経済新聞にて
    総務省は料金が割安なスマートフォン(スマホ)の普及を後押しする。自前の回線を持たずに割安サービスを提供する会社がNTTドコモなどに支払う回線の賃借料を2013年度分から半額に下げる。コスト負担が軽くなった割安サービス会社は利用者の料金を1~2割下げる見通し。競争でドコモなど大手も料金を下げる可能性があり、欧米などに比べて高いとされるスマホの利用料が安くなりそうだ。
つまり、MVNOのコスト負担が軽くなったことにより、MVNOの加入者が増えると期待され、MVNOの中でも老舗的な事業者である日本通信に買いが殺到したのです。 また、総務省の方針ということで、「国策に売りなし」と強気の買いが集まったのも大きな上昇要因となりました。
日本通信 b-mobile

当時の投資家の反応は?

このニュースが深夜に流れた瞬間の、当時の投資家の反応は以下のようなものでした。(以下、YahooTextreamから抜粋)
来ましたね good news
2014年1月25日 03:43
来たwwwwwwww(≧∇≦)
2014年1月25日 03:49
総務省は 2013年度から 2013.4.1から2014.3.31を 2013年度と言う。 自ら回線を保有しない MVNOに対する回線の使用料を 半額にする? ギャー オワタ
2014年1月25日 05:29
オワタ ガクッ 総務省の裁定も 日本通信の勝ちか? 供託金も 返してもらえるのか? オワタ
2014年1月25日 05:41
3億5千万円が その他の流動資産に計上されているが 総務省の大臣裁定が 決着すれば 返金してもらえるものと 考えてよいのか? 3億5千万円を預託するのに 金融機関から 2億5千700万円の借り入れかよ? オワタ
2014年1月25日 07:01
回線の使用料が半額になれば 利用者の通信料金が さらに1割から2割下がる? しかし、売上総利益率の改善に なるはずだ。 価格競争の開始だ! オワタ
2014年1月25日 07:20
回線使用料金半額ですか(≧∇≦) これってdocomoの喧嘩に対する国の主審って事ですね♪( ´▽`) 三田社長おめでとうございました。 週明けは買いですね♪( ´▽`) 買い増し決定(*^^*)
2014年1月25日 08:15
通信料引き下げは国策だからね。(^_^) 日本通信さん、日経1面とは恐れいりました。
2014年1月25日 08:45
docomoへ勝利☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:* って事は、利益率を下げていた日本通信の 利益は倍増ですね♪( ´▽`)
2014年1月25日 08:58
この大きなネタを売り煽りはどう歪曲するのか 今から楽しみだ。 精一杯難しい言葉と感情的な言葉でがんばってくれたまえ(笑)
2014年1月25日 09:56
月曜日はストップ高かなー。 昨日は仕込み時だったねー。 10000以内だったら買いたい!!
2014年1月25日 10:17
日経新聞の朝刊を駅で買ってみた 第1面トップに スマホ割安利用 促進 携帯大手と 競争後押し とある。 MVNO各社が載っている もちろん 日本通信も記載されていた ウソだろ オワタ
2014年1月25日 10:35
国策銘柄決定 月曜日はストップ高か^^ 本当に嬉しい 月曜日は期待です 良かった~ホールドしてて
2014年1月25日 11:32
みんな深夜にも関わらず、情報のキャッチが早いですね。 国策だという声も多く聞かれました。

当時の日足チャート

そして週明けの1/27の月曜日、朝から買いが殺到します。そのまま寄りつかず株価はストップ高します。 当時のyahooファイナンスでも、以下のように取り上げられました。 その後は100円代で急騰と急落を繰り返し、しばらく値動きの荒い展開となりました。
日本通信株価チャート2
ストップ高の翌日は上ひげの長い陰線でしたので、チャート的には天井を示唆していました。 しかし、大きな材料が出た時に、テクニカルは無意味になることがあります。この後チャートは、以下のように急騰していきました。
日本通信株価チャート3
上昇幅が大きすぎて、上のチャートでは表し切れていませんが、この後、株価は1268円まで急騰をし続けます。

スマホや格安SIMというテーマも時流に乗っていましたし、国策という政府の味方も心強かったのだと思います。 今思えば買えて当然・・・なんて思ってしまいますね。

次回は、アルデプロ(8925)(株価は10.3倍!)の予定です。
それでは、次回もお楽しみに!

※今後、初動を検知するには、
初動の瞬間を見逃さないも参考にしてみてください。